不妊に糖尿病の薬って効くの??

こんにちは!日曜薬剤師のキコです。

2022年4月に保険適用になった直後はざわめいてましたが、もう、しっかり認知されてますよね?メトホルミンの生殖補助医療での使われ方。まだ怪しい方がいたら、必読です。

不妊治療で使われるメトホルミン

ご存知の通り、メトホルミン(先発品:メトグルコ®)は糖尿病の薬2型糖尿病」です。

 

2022年4月の保険適用の前から、不妊治療にメトホルミンは使われておりました。そして、保険適用にもなりました!

 

しかし、これを書いている2022年9月12日時点では添付文書には、その効能効果が記載されていません。

 

それは、公知申請で公知該当となっているのですが、承認はおりていないからです。その他の不妊治療薬の点鼻薬などは8月24日に承認となり添付文書も改訂されつつありますよね。この薬剤も間もなく承認となるのだと思いますが、添付文書に書いていないから保険適用外!といって薬剤師の先生方、疑義紹介なさいませぬよう、しっかり確認しておきましょう。

 

適用となった効能効果は、こちらの資料で確認できます。

不妊治療に関する支援について」

https://www.mhlw.go.jp/content/000901931.pdf

 

「効能・効果」

多嚢胞性卵巣症候群排卵誘発
多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激

 

※必ず最新版を確認してくださいね!と思って、厚生労働省のwebページを確認したら更新されておりました。新しい資料はこちらですね。38頁に記載があります。

不妊治療に関する支援について」令和4年8月1日版

https://www.mhlw.go.jp/content/20220801zentai.pdf

 

多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発(ただし、肥満、耐糖能異常、又はインスリン抵抗性のいずれかを呈する患者に限る)
多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激(ただし、肥満、耐糖能異常、又はインスリン抵抗性のいずれかを呈する患者に限る)

 

しかし、これだと用法用量がわからないですよね・・・。

そんな時は、面倒かもしれませんが、こちらに個別に記載があります。

www.mhlw.go.jp

 

メトホルミンの多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発の方の資料です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000901921.pdf

 

多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激はこちら。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000901922.pdf

 

この資料の何がすごいって海外の発売状況、ガイドラインエビデンスがテンコ盛りなんです。とても勉強になるのです。資料の宝庫ですよ♪

 

話は戻って、用法用量ですね。

メトホルミンの用法用量

メタ・アナリシスにおいて、PCOS 患者に、従来の COS 法と本薬の併用は、従来の COS 法 と比較した場合、

  • OHSS の発現割合の低下
  • 臨床妊娠率の増加

となったようです。

 

糖尿病と診断されていない不妊治療中の患者様にメトホルミンが処方されることを学びましたが、糖尿病と診断されている方の場合は不妊治療より糖尿病の治療が優先されることをお忘れなく。